すみよし内科 内分泌・代謝 クリニック

当院の内分泌診療

ホルモンとは甲状腺などの内分泌器官で作られ血液中を運ばれ特定の臓器の活動に影響を及ぼす物質です。生物の正常な状態を支える重要な役割を果します。

臨床的にはバセドウ病、橋本病などの甲状腺異常が最も多く、頻度はだいぶ下がりますが、副甲状腺機能異常に伴うカルシウム代謝異常も比較的多い病態でしょう。

ホルモンには大きく①ステロイドホルモン、②ペプチドホルモンの2つがあります。
甲状腺ホルモンは①に属し、その受容体は核内受容体と呼ばれ体のすべての細胞に存在します。ですから甲状腺ホルモンの過不足による症状は多彩で非特異的なものとなります。内分泌内科を最初から受診する患者さんは少数派で、循環器内科や健康診断からの紹介が多数派です。副甲状腺ホルモンは②のタイプで、その受容体は骨や腎臓など限られた臓器にしか存在しません。しかし、過剰分泌で生じる変化は血中カルシウムの上昇であるため、やはり非特異的で自覚しにくく、多くの患者さんはたまたま受けた血液検査などで気づかれることが多いのです。

内分泌疾患にはこのような特徴があるため、患者さんの多くは自身の病気について十分な理解が出来にくいと思います。しかし、どのような病気であっても、患者さん自身の十分な理解が無いと、インフォームド・コンセント(説明と同意に基づいた自己決定権を尊重した医療)は成り立ちません。

当院では、「内分泌内科医は優れた教師でもあるべき」との方針で臨んでいます。
十分な説明はもちろんですが、診療を通して繰り返し質疑応答を繰り返すことで、治療選択肢、薬剤の意義、副作用などを含めた正しい理解を得ることに注力しています。治療効果の最大化、副作用や有害事象の最小化はもちろん、治療期間の短縮にも重要だと考えるからです。

超音波装置の進歩により、甲状腺疾患の多くはアイソトープなどの使用なしにクリニックでも十分な診断が出来るようになっています。一方、副甲状腺機能亢進症などはホルモン検査の進歩により、化学型と呼ばれる非教科書的な患者さんが早期に診断される傾向が顕著です。診断よりも正しい治療方針の決定、正しい経過観察が重要になっていると言えるでしょう。その際、尿中カルシウム・リンの評価、骨密度測定は必須であり、当院では必ず実施します。

副腎疾患、下垂体疾患などの内分泌疾患、副甲状腺機能低下症、骨軟化症、出産後骨粗鬆症、腫瘍性骨軟化症、骨ページェット病 ビタミンD抵抗性骨軟化症など希少疾患も対応可能です。